車を動かすときにはガソリンや軽油を給油します。ガソリンや軽油と似たようなものとして、重油という油が存在します。この油は石油から生み出されるもので、元々はガソリンや軽油と同じルーツを持っています。身近な石油由来の油としては、ストーブに使う灯油もよく知られている存在です。
原油を高めの圧力で蒸留することで、作り出されます。この時にガソリンや軽油、灯油も生まれますが、これらの油よりも沸点が高いため、残留した油として生まれるのがこの油の性質です。完全な残油というよりは、少し軽油を混ぜて作られるのが一般的です。とても粘度の高い油ではあるものの、水よりも軽いのが特徴です。また、水との親和性が低く、混ぜても分離してしまいます。粘度の高さによって3種類に分類され、それぞれの得意分野で使われ続けています。車で使われるよりも、比較的大きな機器、設備を動かすのが得意なエネルギーを持っています。ボイラーに小型船舶や大型船舶のディーゼルエンジン、ビニールハウスの内部を温めるための燃料や窯業炉の燃料、電力や科学設備のボイラーとして使われています。重油の粘度が高いほど、大規模な設備のエネルギー源として使われる傾向が強くなっています。