大学を卒業し初めての一人暮らし。田舎から都市に出てきた私は、一人暮らしの寂しさを痛感していました。家に帰ると真っ暗。ただいまを言う相手もいない。疲れて帰ってきてから食事を作る気にもなれず、夕飯はいつもコンビニのご飯でした。そんな日が続いたある日、近所におでんがウリの居酒屋がオープン。
おいしそうな臭いに耐え切れず、一人で入店しました。若い女が一人で居酒屋に行くというのはかなり抵抗がありましたが、居づらかったらすぐに帰ればいいやと思いました。カウンターに通され、サワーとおつまみを味わっていると、店長が声をかけてきてくれました。しばらくお話していると、店長の知り合いや近所の常連らしき人もやってきて、きづけば皆友達のようなノリに。あったばかりなのに、フレンドリーに接してくれました。同郷の方もお見えだったので、久しぶりの地元トークにも花が咲きました。それ以来、週一でその居酒屋に通うようになり、人脈が広がり、職場以外の友達も増えました。居酒屋はただお酒や食事を楽しむところではなく、ひとつのコミュニティなんだなと実感しています。まるで、家に帰るような感覚で通っています。女性一人では入りづらいかもしれませんが、わたしの場合は勇気を出して行ってよかったなと思っています。それ以来、地方出張があるときは必ず地元の居酒屋に行くようにしています。居酒屋に行くとその土地のことがわかってとても楽しいですよ。