窓ガラスを割った思い出というと、小学生の頃の記憶があります。窓ガラスを割ったことって、おそらくこの1回きりではないかな。少し考えてみても、他には窓ガラスを割った記憶は浮かんできませんから。
あの時は、家の前の原っぱで、いつものように野球をしていました。いつもの友達と。
そして、何気なく手に取った小石を、野球のように、「スイー」っと投げたんです。そうしたら、平べったい石だったこともあって、野球をしていた原っぱの隣にあった家の窓ガラスに直撃し、「パリン」と割れてしまったんです。
「あっ、しまった」と思って、愕然としていたのですが、他の友人たちは、何が起きたのかまったく分かっていないようでした。私が石を投げたところを、誰も見ていた人はいなかったようなのです。
それに気づいた私は、「このまま隠し通せる」と考えたようなのです。他人事のように言っているのは、その時はそういう意識がなかったからです。後になってそのことに気づいたんですが、その時は、親や大人にバレて叱られるのを避けたかっただけだったのだと思います。
私の取った行動は、その時に、たまたまその原っぱを通リ抜けようとしていた学年が上の子どもが石を投げで窓ガラスを割ったのではないかということにしたのです。友人たちも「そうだ。きっとそうだ」と言ってくれて、ホッと安堵した私でした。
しかし、本当は誰かが真実を知っているのではないかと、あれから40年くらい経っている今でも思うことがあるくらい、後味の悪さが残っています。