一般的にチタンコーティングを行なう目的は、金属パーツを軽量化し、より堅牢にすることです。そのためモータースポーツの世界ではクルマ・バイクいずれのレース車に多用されます。市販車ベースのクルマを使ったレース車だとボンネット部が目立つ部分でしょうか。バイクだとブレーキ・ステップ・フレームなど多くの部分に使用され、堅牢・軽量の目的を果たしています。これはモータースポーツの世界のみならず、一般市販車にも転用、燃費向上・ボディ剛性アップなどに寄与した安全性の観点からも重要な技術となっています。一般製品で近年チタンコーティングが計られることが多いのは腕時計です。
腕時計は必ず腕に着ける製品で直接肌に触れるものです。そのとき、人によっては金属アレルギーにより肌が赤くなったりかぶれたりするケースがあるのです。その対策として腕時計の金属ベルトにチタンコーティング、あるいはベルト本体すべてをチタンにした製品があります。また時計の裏面のケース表面も同様に行なうことが増えています。金属アレルギー対策となると同時に軽量化にもつながり、また外観も良くなることが多く、多くの製品に採用されています。これらの製品は以前からあり高価でしたが、近年は生産技術の進歩によって安価でチタンコーティングが可能となり、多くの消費者のニーズに応えています。