sound14時代とともに家庭用音響機器もアナログからデジタルへと変わってきました。デジタル信号化された音楽のファイルを誰でも簡単にやり取りし、共有したり出来るようになりました。インターネットを介してダウンロードしたり、ハードディスクに何千曲もの楽曲を貯め込んでは引き出したり、すごく手軽に音楽を楽しめるのですが、物質的な形が残らなくて寂しい様にも思えるのです。

レコードやカセットなどの取り回しの悪さは言うまでもありません。「昔は曲の頭も目視でやっていた、カセットデッキにカウンターが表示された時は画期的だったな」なんて言ったら若者にビックリされます。
音質はどう考えてもデジタルには敵わないわけですが、「好み」という部分で意見が分かれるところでもあります。アナログ派な人達の意見には、レコードの音にはデジタル録音では記録されない周波数帯の音があり、音の温かみがあっていいとあります。例えばジャズのレコードを聴くと、CDには入っていないノイズまで聴こえます。ノイズもすべて聴こえることでレコーディング時の空気が感じられるということが魅力とされます。
オーディオシステム、コンポ、ラジカセといった家庭用音響機器から、音楽を持ち運べるMP3プレーヤーが注目されてきたここ15年ですが、多くの人はアナログの音など意識することなく圧縮されたデジタルの音を聴いているわけです。レコード、カセットがちゃんと聞ける環境が家庭にあることは贅沢なことなのかもしれません。