コーヒーコーヒーカップというと今でこそとってがついているもの当然ですが、おともとは取っ手がありませんでした。その証拠に、コーヒーは発祥の国と言われているエチオピアでは、今でもカリオモンというコーヒーセレモニーが行われていますが、そこで使われているコーヒーカップは、取っ手のないこぶりな杯のようなものです。現在のようなコーヒーカップができたのは意外と新しく、ヨーロッパ磁器の魁と言われるドイツのマイセンでは18世紀前半のことです。イギリスのウエッジウッドの創設者であるジョサイアがクリームウェアと呼ばれるコーヒーセットを作ったのも18世紀後半と言われています。コーヒーカップとティーカップがはっきりと区別されるようになったのはここ数十年のことです。コーヒー用が縦長なのに対し、紅茶用は朝顔のように開いているのが特徴です。これには理由があり、コーヒー用は冷めにくいもの、紅茶用は水色が美しく見えるようにという目的があるようです。