地中海を中心に南ヨーロッパで栄えたローマ帝国に水洗式のトイレがあったという。そんなローマ帝国の勢いも紀元4世紀ごろには衰えていく。変わって勢力を増したのはドイツから北ヨーロッパを中心に栄えたゲルマン民族だ。
このゲルマン民族はローマ帝国と違って水洗トイレというものを知らなかった。普通の庶民が使っていたのはウンチやオシッコを溜めておける腰掛式のトイレなのだ。このトイレは見た目は普通の椅子とほとんど見分けがつかないが、腰を下ろすところに蓋があって、それを開けるとトイレに早変わりするもの。しかし君たちも想像できるとおり、溜まったものをすぐにどこかに捨てないととても臭い。
そんな汚物をどこに捨てていたかというと、答えはそのへん。そう建物の外に平気で捨てていたのだ。いったいどうしてそんなことが出来たのだろうと不思議になるが、ゲルマン民族はあまり気にしなかったらしい。驚くべきことにその風習は基本的に18世紀まで続いたのだ。