自動車の鍵自動車の不正解錠手段のふたつめはダイレクトピッキングというものだ。この手法はシリンダーを回すのではなく、直接ロックセットを動かす方法である。映画などで定規などを窓の隙間から入れてドアの鍵を開けるシーンがあるが、あれがダイレクトピッキングだ。しかしこの方法も、定規程度のものでは現在の自動車のドアには通用しなくなってきている。というのも現在の自動車のドアは防犯対策上、窓の隙間から直接ロックセットに接触できないようになっている。そこを窃盗犯は住宅用同様プロ並みの技術を使って解錠しているということになる。ちなみにこのダイレクトピッキングで解錠する場合はエンジンの始動は配線の直結によるスタートとなる。

トランスポンダーとは電子錠のひとつでエンジンと鍵の両方に取り付けられるもの。理論上は数兆という信号識別ができるため、合鍵がつくれてもトランスポンダーのデータが一致しないと電源が供給されずエンジンがかからなくなるという防犯方式。イギリスではトランスポンダーの採用以降、自動車窃盗は6割りに激減した。